想い出ゲームレビュー「NARUTO-ナルト-激闘忍者大戦!3」

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皆様は、どの年代で最もゲームに時間を割いていただろうか?

 

 

小学生の頃か、中高生の頃か、はたまた大学や社会人になってから?

 

時期は人によって異なるのではないだろうか。

 

さらにもう一つ質問だ。

 

人生で一番友達と集まってゲームをした時期は?

 

今回は、そんな時期に熱中したあるゲームのお話。

 

 

 

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小学生時代の乱闘ゲームの流行

 

私が小学生の頃、4人で乱闘できるタイプのゲームが流行し、友達と誰かの家に集まってプレーするのが日常だった。

 

4人で、という条件から自然と任天堂系列のCS機、64かゲームキューブということとなる。

 

記憶に残っている中では

・スマブラシリーズ
・カービィのエアライド
・マリオパーティシリーズ

 

などが挙げられるだろうか。

 

一般的に、4人でプレイ出来る乱戦系のゲームとして代表されるのは、間違いなくスマブラシリーズだろう。

私も幼稚園時代に64版、小学低学年時代にスマブラDXが発売され、面白さを経験した。

しかし、その頃はゲーム内の駆け引きなど分からず、ただキャッキャと遊ぶだけのゲームをしていた年代である。楽しかった記憶はあるが、ゲーム自体への思い入れは中々難しいものがある。

 

 

駆け引きや技術を覚え始めた頃に私がドハマリしていたゲーム、それが

 

「NARUTO-ナルト-激闘忍者大戦!3」

 

である。

 

 

 

 

 

原作の漫画が流行していたこともあり、知名度抜群のコンテンツを使ったゲームは当然のように周囲の友人たちを巻き込んでブームとなった。

誰かの家に集まればみんなで戦う、そんなゲームが我々にとってはこの激忍3だったのだ。

 

 

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激闘忍者大戦3とは

 

 

2004年11月20日に発売されたゲームキューブ用のソフト。

タイトルから分かるように、漫画「NARUTO」をテーマとしたゲームシリーズの3作目である。

ストーリー的には綱手の火影就任までを網羅しており、あらゆるキャラを使って最大4人で戦える格闘ゲームである。

 

システムは割とシンプルで、

・体力ゲージ方式

・必殺技はチャクラゲージを溜めて発動

・条件を満たしたりコマンドを入力することで第二の必殺技が出せる

・ガードはオートガード、一定量の攻撃を食らうとガードブレイクできる。また、手裏剣やクナイはガードしても微量のダメージが入る

・投げはガード不可

・攻撃を食らった際、チャクラを消費することで「変わり身の術」を使用でき、相手の背後を取る事が出来る。しかも1ボタンで発動するため使いやすい。

 

という割と一般的、取っ付きやすいシステムでありながらNARUTOとしての要素をふんだんに取り込んだシステムである。と今なら振り返ることが出来る。

 

 

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なぜハマったのか

 

 

そもそも私が格闘ゲーム(と言って良いものか)に触れたのはスマブラが初である。

 

ご存知の方も多いかもしれないが、スマブラのシステムは体力ゲージではなく%を溜めてぶっ飛ばすという方式。それを幼い頃にプレイしていた訳だから、戦略もクソもないワチャワチャした遊びだった。

そこから程よく精神が成熟し始めた頃に、当時みんなが好きだったマンガが題材になって4人で遊べるゲームが出たら、そりゃこぞって遊ぶわなと。

 

つまり当時の私は比較対象となる格ゲーが全くなく、これとスマブラを格ゲーの全てだと思い込んでいたのである。

 

しかも心に刺さったのは、ただAボタンやBボタンを連打するだけでもそれっぽいコンボが出せること。

ガチャガチャ連打してガードをかいくぐる、あるいはガードを割る。そこでまたガチャガチャ連打してコンボを叩き込む。

やってる事はただ連打するだけなのだが、それでも見栄え良く爽快感のあるコンボが決まる。

 

また投げも1ボタンで出せたため、ガードする相手を投げて連打でコンボ、というようにほんの少しの駆け引きと見栄えと爽快感が全て小学生で体験できた。このゲームの間口の広さが伺い知れる。

 

また、当時多くの子供たちが熱中していたように、漫画やアニメとしてのNARUTOはコンテンツ自体の魅力がとても大きい。

このゲームはその魅力を最大限にゲームへと反映させた、キャラゲー的な側面もあったのである。

 

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キャラゲーとして見る激忍3

 

「NARUTOのキャラで一番好きなのは誰?」

という質問は人を泥沼へ突き落とすのに等しい。

 

考え始めればきりが無く、人によって様々なキャラが挙げられる。

NARUTOの主人公は当然ながらうずまきナルトである。

しかしながら群像劇として描かれるシーンが多く、あらゆるキャラに魅力と個性が溢れている。

敵にも味方にも魅力まみれの贅沢な個性大渋滞

それがNARUTOである。

 

それを読者として知っていた私だからこそ、この激忍3はキャラゲーとしても優秀だったのだと思っている。

 

①キャラ同士の掛け合い

 

1VS1の対戦を行う際、キャラの組み合わせにより特殊ボイスが発生する仕様となっている。

いくつか例を挙げれば、

・師弟関係である教官と生徒(リーとガイ)
・原作で戦った味方と敵(テマリとシカマル)
・友達同士、同じ班員など(キバとシノ)

というところ。

対戦前のデモ画面は当然だが、必殺技の発動時にもこれらが反映される組み合わせがあり、一人であらゆるキャラとの組み合わせを模索したのは私だけでは無かっただろう。

イタチがサスケに月読を発動したときにボイスが変わった瞬間、私は歓喜に震えると同時に怖くなった記憶がある(当時はイタチの本心は原作で明かされていなかった)。

 

②状態変化という特殊コマンド

 

ナルトの体内には九尾が住んでるし、うちは一族とカカシは写輪眼を持っているし、リーとガイは八門遁甲を開けることが出来るのは義務教育で習ったはずだ。

この状態変化を、ゲーム内では簡単なコマンドを入力することで発動できる。

 

それぞれにメリットデメリット(攻撃力やスピードが上がるが体力が減っていく等)があり、更には必殺技まで変わることもある(例えばサスケは通常時の必殺技は獅子連弾だが、写輪眼状態では千鳥になる)。

見た目も攻撃一つ一つにエフェクトがかかり豪華でとにかく格好いい。

この状態変化もまた、原作を語る上では欠かせない要素であり、前作では別キャラとして採用されていたのを試合中にコマンドによって変化させるという方式に変えたのは大きな進化だったのでは無いだろうか。

 

追い込まれてから写輪眼状態へ移行し、大逆転勝利、というドラマティックな展開が生み出せるようになったこのシステムは、戦略のみならずキャラの持つ魅力も引き出すことに成功していた。

 

 

リーで最終まで八門遁甲を開け体力ギリギリまで減りながら、必死に繰り出した必殺技・裏蓮華を避けられサクッと倒された苦い経験を持つのは私だけではないはずだ。頼むから同志よ居てくれよ。

 

 

③ストーリーモードの原作再現要素

 

このゲームには一人でやり込めるストーリーモードが存在する。

原作のストーリーに沿って戦闘をしながら進めていく、というモードだ。

 

このモード自体は前作から存在していたが、3から追加されたのが達成条件だ。

 

 

例えば、綱手というキャラクターがいる。

彼女がナルトにデコピンをお見舞いするシーンは原作屈指の名シーンの一つだ。

 

 


© SHUEISHA Inc. All rights reserved.

 

 

このシーンをテーマにした回では、

 

「綱手を操作してナルトを倒せ。ただし、デコピンでトドメを刺さなくてはならない」

 

というような条件が設定される。

 

ストーリーモードは難易度が選べるのだが、難易度が高いほど敵が強いだけでは無く条件も厳しくなることもある。

絶望的な条件を設定されることも少なくなく、やりこみ魂に火を付ける手応えとなっていた。

 

ある回で、「6コンボ以上からの螺旋丸でトドメを刺して勝利」という条件に何時間も泣きながら挑戦したのは自分だけでは無いはずだ。そうだろ?ナルトはコンボが繋げにくかったよな?

 

 

 

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当時の想い出

 

ここからはこのゲームに関する想い出というかあるあるを挙げていきたい。

プレーしていた方なら頷いてくれるだろうし、未プレーの方は真偽を確かめるべく、是非遊んでみていただきたい。

 

 

赤丸禁止令が作られる

 

プレイアブルキャラクターの中に、犬が居る。

名を赤丸

 


© SHUEISHA Inc. All rights reserved.

 

このキャラ、原作では忍者に飼われている犬だ。

戦いの際は飼い主と共に戦う「忍犬」と呼ばれる内の一匹なのだが、キャラとして単体で使用することが出来る。

 

このキャラ、当たり判定がメチャクチャ小さい。

小学生同士のレベルの戦いではほぼ攻撃が当たらず無敵の存在となってしまうため、いつしか仲間内で

 

「赤丸禁止令」

 

なるものが発布されていた。

簡単に勝つだけではつまらない、と幼いながらに皆で工夫した結果なのだが、今思うと笑ってしまうようなローカルルールである。

でも当時の私たちにとっては、友情が壊れかねない深刻な問題だったのだ。

 

 

4人対戦、テマリ強すぎ問題

 

 

序盤にガードの仕様について

 

「手裏剣やクナイはガードしても微量のダメージが入る」

 

と述べた。

 

逆に言えば、4人で乱闘しているときに一人だけ遠くから投げ物を延々と飛ばしていれば、安全に残り3人の体力を削ることが出来たわけだ。

 

そしてその戦法と完全にマッチングしたのが、テマリというキャラクターであった。

 


© SHUEISHA Inc. All rights reserved.

 

このテマリというキャラクターは、後ろに写っている巨大な扇で風を起こし、「かまいたち」の要領で攻撃を加えるキャラクターだ。

 

(かまいたち)は、日本に伝えられる妖怪、もしくはそれが起こすとされた怪異である。つむじ風に乗って現われて人を切りつける。これに出遭った人は刃物で切られたような鋭い傷を受けるが、痛みはなく、傷からは血も出ないともされる。

—-Wikipediaより—

 

この攻撃がゲーム内でも再現されたのだが、他キャラにおける投げ物枠になっている。

そして、その実態は

 

・一回当たりの攻撃判定回数が多く
・範囲も若干広く
・連続で繰り出すことが出来る

 

という仕様だった。

その結果、どういうことが起きるか。

 

 

他の3人が入り乱れながら戦っているときに、遠くからひたすら扇を振り続けるだけでガードしていても体力が削られる、小競り合い中にノーガードで食らえば連続でダメージ、そんな物体が何個も何個も飛ばせる。

 

どう考えても乱戦においては強キャラである。

 

もちろん周囲もそれを承知なので、テマリを選択した瞬間にヘイトが集まり擬似的1VS3になることも多いのだが、この仕様は原作再現のクオリティの高さと相まって強く印象に残っている。

 

 

イタチ強すぎ問題

 

 

おそらくこのゲームにおいて最強のキャラであり、裏ボス的存在であるうちはイタチ。

 

このキャラだけ明らかに性能が優れている。

 

そもそも素の攻撃力が高く、更に簡単な操作で影分身に攻撃をさせることが出来る。

その攻撃もコンボが繋げやすく、攻撃力も高い。

必殺技の破壊力も甚大であり、欠点が見当たらないキャラだった。

 

簡単に言ってしまえば、

 

「本体は安全な遠い位置にいて、影分身でガンガン殴るだけで勝てるキャラ」

 

であり、こちらも禁止令は出ないものの選択した瞬間に若干のヘイトを集めるようなキャラ性能となっていた。

キャラランクとか強キャラという概念が無かった少年時代にすら「こいつは強すぎる」と思わされたイタチ、原作の設定が忠実に反映された結果という意味では原作愛の歪んだ具現化なのかもしれない。

 

 

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一人プレイも充実していた

 

 

このソフトは私が所有していたのだが、友達が集まらないときでも一人で遊べる要素が充実していた。

 

まず、あらゆる遊び方においてお金が貯まり、ショップで様々な要素を解禁できる。

内容も多岐に富んでおり、

 

・隠しキャラ
・ステージ
・ストーリーモードの続き
・サウンドテスト
・メニュー画面のボイスキャラ
・ハンデ要素
・「組み手モード」の解禁

 

など、稼ぐためにプレーしないとコンプリートできないようなボリュームを誇っている。

 

そして最後に記載した「組み手モード」

 

よくあるモードではあるが、複数CPUが沸き、倒す毎に強くなり、死ぬまで戦い続けるモードである。

 

このモードの調節が絶妙であり、チャクラゲージの管理や回復アイテムのドロップなど押さえる要素がいくつもありながら戦闘の難易度もきっちり上昇していくため、ひたすら遊び続けていた記憶がある。

ショップのための稼ぎとの相性も良く、組み手を延々とこなして時々ショップを覗く、そんな生活をしていた。

まさしく修行の鬼である。現実でもそんなことが出来ていれば今頃年収1000万プレイヤーだったかもしれない。

 

 

そして先程も述べたストーリーモードの難易度。

続編として発売された激忍4ではシビアすぎると判断されたのか、このクリア条件が撤廃されてしまった。

確かに鬼畜と言われても仕方の無い難易度だったが、だからこそキャラゲーとしての側面が強く印象に残っており、少し残念な続編となってしまった。

 

そういった要素を踏まえ、今作がシリーズ最高傑作であるという意見もよく聞かれる。

 

 

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総評

 

今回の記事を書くにあたり、改めて調べてみたところ様々な発見があった。

当時は気付かなかったキャラの組み合わせによる特殊ボイスや特殊奥義がまだまだ存在していたこと。

キャラランク付け的には、大蛇丸とイタチ以外はそこまで差が無く、キャラゲーでありながらある程度のバランスが取れていた、という評価をされていたこと。

変わり身を使わなければ即死となる10割コンボが複数キャラに発見されていること。

それによりチャクラゲージの管理が必須知識だったこと。

 

 

もちろんそんなガチに近い情報を、当時の私たちは知るよしもなく。

ただただ雰囲気でコンボを叩き込みながらテマリで風を飛ばし、遠くからサスケが千鳥をぶっ放しながら飛んでくる。

そんなハチャメチャキャラゲーだったのだ。

 

そんなキャラゲーとしても、いちパーティゲームとしても優秀なこのタイトル。

ゲームキューブがまだ自宅で現役だ、という方が居たら一度触れてみていただきたい。

 

キャラ性能よりもリスクよりも、格好良さを取って行動したくなる。

そんな愛に溢れるファイトスタイルを選んだ私の気持ちが、きっと分かってもらえるはずだ。

 

 

 

 

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