昔から私はガンシューティング系のゲームが好きだった。
幼い頃から銃に憧れがあり、ゲームの好みもそれに影響を受けていたのである。
そんな私にとって、とても魅力的に見えたゲームがあった。
それが、今回ご紹介する
「スペースレイダース」
である。
このゲームは私にホロ苦い想い出と価値観を与えてくれた。
ある意味ゲームに対する価値観を変えられたこのゲームについて、是非お読み頂きたい。
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概要
発売日 2002年12月19日
機種 PS2、GC
発売元 タイトー
スペースレイダースは、エイリアンと戦う勇ましいゲームだ。
宇宙戦争やインディペンデンス・デイを彷彿とさせる壮大なPV。
醜悪な外観をしたエイリアン。
まさしく名作の予感がしたのだ。
当時小学生だった私の心は震え立った。
この映像の最後、SIMPLE2000シリーズと出ている。
理由は後述したい。
このオープニングはその時代にとても壮大な印象だった。
そしてこのパッケージデザイン。
どう見ても
「これは過酷な戦闘になる・・・銃をぶっ放すぞ」
と期待を胸にプレイするしかないじゃ無いか。
しかも協力プレイ可能と来た。
友達を呼んで、エイリアンを絶滅させてやると意気込んでいたのだ。
単純なゲーム性、その理由
しかし、蓋を開けたら至極単純なゲームだった。
内容は、映像を見てもらえれば一目瞭然だ。
もちろん解説もするが、お時間のある方はこちらをご覧いただきたい。
奥行きはエイリアン側がこちらに攻めて来るのみ。
プレイヤーに出来ることは、ただ横へ動いて弾を避け、エイリアンに向かって射撃するのみ。
大規模なオープニングとは裏腹に、単純にして単調な戦闘を繰り返すゲームである。
こうなってしまったのには理由があった。
実はこのゲーム、少し変わった背景で作られていた。
発売された2002年は、かの有名な名作
「スペースインベーダー」
発売から25周年という記念の年であった。
そう、このタイトルはスペースインベーダーの現代版リメイクと言える記念作品なのだ。
だからこそ平行移動しか出来ないし、ちゃちな遮蔽物しか用意されていない。
この平行移動というのはボス戦でも変わりは無い。
ボスの周囲を円状に動くことが出来るため僅かにスケールは広まったが、本質的には何も変わらない。
もちろんその当時の私はそんな事情を知らなかった。
ノスタルジーや原作への思い入れがない分、むしろ純粋にゲームの内容について感じることが出来ていたのかもしれない。
だからこそ断言したい。
平行移動という縛りだけであれば、まだ良作とまではいわずとも無難なゲームに仕上がっていたかもしれない。
しかし記憶に残る限り、このゲームはとてつもない駄作だったのだ。
以下、理由を挙げていきたい。
駄作となったいくつもの理由
まずこのゲーム、アイテムがあるのだが主な入手方法は、なんと遮蔽物を壊すという手段だ。
自らの身を守るための遮蔽物を壊すという矛盾したゲームデザインはいかがな物だろうか。
もちろん遮蔽として利用しないと切り抜けることが困難な場面もあり、おいそれと壊すわけにもいかない。
リソース管理、といえば聞こえは良いが理不尽なルールだと感じた。
そしてステージはいくつもあるが、もちろんシステムはずっと同じ。
エイリアンは強くなるしボスも凶悪化していくが、派手なアクションも何も無くただただ平行移動と射撃の繰り返しだ。
これに打ち込む当時の私、最早修行僧の様相を呈していた。
難易度が選べないという21世紀とは思えない状況もあり、エンディングを見るにはひたすらコンティニューを繰り返すしかない。
それでも懸命にプレイしたのは、エンディングが見たかったからだ。
あれだけ素晴らしいオープニングだったのだ。
何かしらストーリーや展開があるだろう・・・
そう信じてひたむきに、3キャラ全てでエンディングを見る為にやり込んだ。
ただ、プレイを進めている段階で疑念を抱き始めた。
これ見よがしに匂わせていたオープニング。
しかし女性キャラの恋人やら軍人の部下やらヤンキーの友達やら、何一つ気配がしない。
そう、どのキャラもストーリーに何一つ変化が無かったのだ。
そして極めつけはエンディング。
最終的に巨大円盤の中へ侵入し、主であろうエイリアンを撃破することに成功する主人公。
これで戦争にも決着が付いた、と誰もが思った。
しかし、既に宇宙空間には続々と巨大円盤が迫っているのだった・・・
というもの。
呆れかえった。
何一つ事態が進行していないじゃないか。
まさかこれが真のエンディングな訳がない。
そう思い、全キャラでクリアもしてみた。
何も変わらない。
そう、全てただ匂わせるだけで何一つ解決も発展もしないレールの上を単調なゲーム性のままマラソンし続ける。
それがこのゲームの全てだったのだ。
なぜここまで覚えているのか
そんなゲームを私はなぜここまで鮮明に覚えているのか。
他に遊べるゲームが無かったからだ。
当時小学生、ということは何本もゲームを買うなんてことは夢のまた夢。
積みゲーなんて言葉とは無縁だった私だからこそ、こんなゲームでもやり込むことが出来たのだろう。
その上でこの感想なのだ。
スペースインベーダー自体は間違いなく押しも押されぬ名作だ。
そのシステムを受け継いでいるわけで、面白さが無いわけではない。
敵の攻撃パターンを見抜き躱しながら弾を撃ち込むのは一瞬といえども快感だし、プレイし始めて数十分は毎回確かに楽しかった。
それも分かった上で、なおこの感想を小学生が抱いたのだ。
面白さ、推して知るべし。
そしてこのゲームをプレイして以降、私のゲームに対する価値観は少しだけ鍛えられたのだと今だから思う。
何よりも折れない心が鍛えられた。
余談
このゲーム、元々はフルプライスで販売されていた。
全く売れ行きが伸びなかったところを、「地球防衛軍」シリーズをヒットさせたD3パブリッシャーが救いの手を差し伸べたのだ。
その結果、SIMPLE2000シリーズとして値段を下げ再販されるのだが。
そのタイトルが。
SIMPLE2000シリーズ Vol.52 THE 地球侵略群 SPACE RAIDERS
どう見ても地球防衛軍の関連作品として買わせる気が満々のタイトルだ。
それだけ迷走しながらも売ろうとしたこのゲーム。
PS2、21世紀にも過去の名作に引っ張られて誕生した駄作が有ったということを皆様には是非知って欲しい。
そして願わくば中古の格安で良い、このソフトを購入して虚無感を一緒に味わって頂きたい。
その後プレイするあらゆるゲームが、より一層楽しくなるだろう。
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