映画レビュー「ブレット・トレイン」超濃密なエンターテインメント、伊坂らしさ全開ハリウッド風味!!

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見てきました、ブレット・トレイン。

 

 

元々見たい映画ではあったんです。そもそも私は伊坂幸太郎が好きなので。

と言いつつ、新刊全然読めてなくて積ん読になっちゃってるんですけど・・・

 

で、このブレット・トレインの原作に当たる「マリアビートル」も、買ったまま読めてないって状態でした。

けど結果的にこの映画に出会えたことで

「原作読んでなくて良かったかもーーーーー!!!!」

と言えるようになったので結果オーライと言うことで。

 

正直、2022年ここまで面白い映画にはたくさん出会いましたが、この映画は

「人生トップレベルに濃密なエンターテインメント」

だと思いました。ちなみにこの記事はレイトショーで見た後、そのまま書いております。

 

ということで、ブレット・トレインの感想文、行くぞ!!!!!!

 

 

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作品概要

 

世界一運の悪い殺し屋レディバグが請けたミッション、それは東京発の超高速列車“ゆかり号”でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。
簡単な仕事のはずが、次から次へと“ゆかり号”に乗ってくる殺し屋たち。彼らに狙われ、降りたくても、降りられない!
最悪な状況の中、列車はレディバグと殺し屋たちを乗せたまま終着点・京都へと走る…
やがて明らかになる乗り合わせた10人の過去と因縁。
そして京都で待ち受ける世界最大の犯罪組織のボス=ホワイト・デス!
思いもよらない展開が連続するミステリー・アクション!

公式ページより引用

 

原作は人気ミステリー作家、伊坂幸太郎の「マリアビートル」。

それより以前に書かれていた殺し屋ハードボイルドミステリー、「グラスホッパー」の続編的位置づけで出版された作品です。

原作では全員日本人の設定ですが、映画では全世界から殺し屋が集まっています。

 

主演はお馴染みブラッドピット。

日本人の役にはアンドリュー・小路と真田広之が出演。

アンドリュー小路さんはルックスこそ日本人ですが育ちがイギリスなため日本語を喋る役はほとんどなく、今作でがっつり日本語を喋ったことが一部で話題になったとか。

 

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感想

 

ということで、ここからは感想を。

 

超濃密なエンターテインメント

 

まず見終わった後の感想が

「濃かった・・・」

という状態で、頭が疲れるほどでした。

 

基本的に展開はサクサクと進んでいきます。そして無駄な時間も空間も無い。

情報量盛り沢山な画面と展開、そして時折挟まるジャンルがぐちゃぐちゃな音楽。

無秩序に取っ散らかった情報の断片達、それらが映画の進展と共に収束していく加速感。

滅茶苦茶情報量が多いな、と思ってた画面の端々が伏線だったことに気付かされる終盤。

 

本当に脳が疲れて痺れる感覚を覚えるぐらい濃密な時間でした、実際映画を見てて今どれぐらい経ったか全く分からない状態になったのはかなり久しぶりだと思います。

 

そして思った感想は

「映画だしハリウッドだし、でも超伊坂っぽい!!」

というものでした。

 

失われない伊坂らしさ、それを強化する映像の使い方

 

先述したように、私は伊坂幸太郎のファンです、というか母がファンで実家に小説が揃ってて、それを読むうちに一家全員好きになっていたという状態。

さっき数えましたが、実家を出て自分で買った伊坂さんの小説、15冊有りました。これでもまだまだ揃ってない方だし、積ん読になってるものも少なくないのですが。

 

そんな伊坂好きの私から見た「伊坂らしさ」というのは

①音楽へのこだわりが文章から滲み出る感じ
②一見繋がりが全く見えない伏線の撒き方と回収の加速感、爽快感
③おしゃれな会話、テンポの良い会話

という三点だと思っています。

 

これがすんごくアメリカナイズされながらも、しっかり根底にあるので見てて

「うわあ、超アメリカンなのに伊坂だ・・・」

という謎の感動を覚えました。

 

特に果物兄弟が絡んだトークはもうね、雰囲気最高です。

 

で、作風としてはやはり多数張り巡らされた伏線、それを颯爽と回収する終盤にかけての展開が評価されているわけで、それをどう映画として表現するのかなと思ってました。

小説内では時間軸や視点を変えながら、色んな角度から見て話が進んでいくのですが、それを力業でやってのけた感じ。

それぞれの人生がもつれ合い始める収束感、そして数十分前にスクリーンに映っていた伏線が回収されていく爽快感。

これが非常に気持ちよかった。マジで何も知らない状態に戻ってもう一度見たい。

 

特に伏線回収というか、「こういうことだったのか!!!」ってなるターンは、全く同じ映像がスクリーンに流れるんですよ。

でも最初にそのシーンを見たときと、他者の事情を知ってから見るときで全く違う現実が見えてきます。

この脳を裏切られるような快感、これは本当に何も知らずに見に行くのが一番味わえます。

 

ツッコミどころ満点のトンチキジャパン、でも気にならん!

 

日本を舞台にした映画ですが、正直言って日本の描写はテキトーですw

夜明けに新幹線が走ってたり、窓から見える富士山が5倍ぐらいのサイズな上に地理的にもおかしい位置にあったり。

というか新幹線の乗客だって、あまりにも国際色豊かすぎる。むしろ日本人が超少数で、

「ゲストハウスかよ!」

というような状態になってました。

 

けど、そこら辺はぶっちゃけどうでも良くなりました。

展開に関わってくるわけでもないし、主要な殺し屋は世界中から集まっているので元々画面は国際色豊かだし。

むしろ

「やっぱり海外の人ってこういうJAPANが好きなんだよな」

とどこか安心しちゃうレベル。

時折挟み込まれる名前や時間軸のテロップも、もはや見慣れた海外向けカタカナフォントにネオン。

 

公式Youtubeより引用

 

爽やかなゴア描写、アクションとBGMが超エンタメ

 

この映画、事前に思ってたより遙かにゴア描写がちゃんとありました。

人も四肢もボチボチ吹っ飛びます。けど気持ちいい破壊というか、ゴアと爽快感は切っても切り離せないなと。

そこまで生々しかったり痛々しい描写はないので、気持ちよーく見れたと思ってます。

それを加速させてくれたのが、アクションシーンの裏で流れる世界各国の音楽。

相乗効果で、職人の仕事風景を見るが如くゴアシーンを楽しめました、ってこの書き方でどこまで伝わるか分からないけど。

双子の仕事を振り返るシーンなんか、クールでお茶目で最高ですよ。

 

はっちゃけるジャパニーズヤクザ、映える日本人キャスト

 

ラスボスとも言えるホワイトデス。

彼らの手下がスーツのジャパニーズヤクザな訳ですが、なんというか

「ヤクザとチンピラを足して2で割った感じ」

でもうノリノリなんですよ、スーツに長物や金属バット持ってイキりまくってる。これが絵面としては非常にいいもんでして。

 

あとは日本人としてキャスティングされたお二人が超良かったです。

 

アンドリュー小路さんはとにかく焦燥感にまみれてる表情が色っぽくて素敵。

日本語は本来話せないそうなんですが、焦って上手くしゃべれないであろう場面と噛み合って、ほぼ違和感なく。

というか後から知るまで、日本語話せないってことを知らなかったぐらい自然でした。

 

 

そしてなんと言っても、真田広之さんが全てを持っていった感。

 

真田広之を見るためだけでも価値のある映画

 

もうねー、真田広之さんがかっこいい。

 

 

そもそも私は、モータルコンバットの映画を見たときに真田さんのかっこよさに震えました。

 

 

今作の真田さんも、もうなんというかたまらんのですよ。

アクションはもちろんかっこいいし、血にまみれた顔も超映えるし。

https://twitter.com/rubyrubidium/status/1568502620754706432

 

モータルコンバットに続き今作でも、復讐の炎に心を焼かれた真田さんでした。

悲しみを背負った男の顔をさせたらもうそりゃかっこいいですよ。

アンドリュー小路さんと二人並んだ画面はそれだけでもうチケット代が安く思えるほど。

 

個性が強すぎる殺し屋達をまとめ上げる長老としての強さ、自身の戦いのかっこよさ、親として、祖父としての愛と厳しさ。

個人的な見所は、話を聞いてくれと優しく頼む真田広之、それをひたすら拒否するブラッドピットという構図です。

 

 

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とにかく濃密だと思った理由を考えた

 

で、ここまでひとまず面白かったと思えるポイントを上げていきましたが、上手く魅力が伝わってる気がしない。

何でかと考えたときに、

「この映画はとにかく休まない、濃密なエンターテインメントなんだ」

と思ったわけです、冒頭にも書いたわけですが。

 

なので、なぜそれだけ濃いと思ったのかを掘り下げてみました。

 

情報量が多い

 

テンポの速さも相まって、とにかく情報量が多いです。

しかも時々挿入される文字は、さっきも言ったように強烈なゴシックネオン。

アクションシーンになれば音楽だってかっこよくなる。

目も耳も情報量が多いんです。

 

重要人物が多い

 

この作品の醍醐味でもある、複数の人生が伏線となって絡み合う展開。

その都合上、どうしても序盤から中盤にかけては人が沢山出てきます。

もちろん完全に無関係な状態で出てくることは少なく、多少は昔の因縁があるわけですが。

だとしてもやっぱり事実が繋がるまではとっちらかった沢山の人間関係を追いかけるような状態なので、それも濃いなと思った理由の一つかもしれません。

 

無駄がない

 

とにかくテンポ良く進んでいきます。殺しもサクサク仕事として進んじゃうし。

画面に映る物の量も多いし、その中には伏線になる物もあるし。

伊坂らしさの一つにも挙げた会話の魅力とテンポも相まって、全く脳が休めないんですよね。

時間的にも、画面的にも、音的にもとにかく無駄や空白がなくてギチギチに詰まってました。

 

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結論、超オススメ、最高濃度のエンタメを見逃すな

 

もうねー、これは見てもらわないと伝わらないんだよな、濃度なんですよ。

エンタメをひたすら突き詰め、その中で破壊描写、アクション、ミステリーとしての魅力、音楽、全てが詰め込まれました。

見てて時間の感覚を失った映画は久々でした、それぐらい詰まってたし、終盤の全てが繋がる快感は始めて見るときの一度しか味わえません。

人生で一度しかない、初見のブレット・トレイン。俺はまだ見てない人が羨ましいです、この快感を味わえるのだから。

 

なので、見てない人は絶対見に行ってください。マジで面白いから。

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