映画「怪獣ヤロウ」が見たくて仕方なかったので、夫婦で観てきました!

画像は公式サイトより引用
バキ童こと「ぐんぴぃ(春とヒコーキ)」が主演ということで、Youtubeのバキ童チャンネルでは動画の終わりに宣伝動画が入っているところから存在を知り、これはなるべくネタバレ無しで見に行かねば、とほぼ情報を宣伝動画以外何も入れずに観に行きました。
最近見たバキ童ちゃんねるで一番面白かった動画。ただただ色んな面白い小説の切り出しを語るというストイックな企画。
観る前に知っていた情報としては、
- ご当地映画である
- 特撮が何かしらのテーマになっている
というぐらい。本当に何も知らないまま観に行って。単純に映画も面白かったし、ご当地映画としての背景や制作体制も調べたらかなり興味深かったので、そこら辺まで合わせて感想を述べていきたいと思います。
ブログでも絵でも動画でも、何か作っている人はきっと創作欲が刺激される、そんな作品だったなあと。
映画の基礎情報
タイトル「怪獣ヤロウ!」
主演 ぐんぴぃ
監督・脚本 八木順一朗
制作総指揮 太田光代
企画・制作 ファニーパンドラ
岐阜県関市。市役所の観光課に務める山田一郎はある日、市長から〝ご当地映画〟の製作を命じられる。しかしどこにでもある〝凡庸なご当地映画〟に疑念を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作を思いつく!いつも失敗ばかりでダメな自分を変えるため!パッとしない故郷を変えるため!怪獣で、全部をぶっ壊す!!
しかしその想いは、市政を巻き込んだ大事件へと発展していく…!果たして山田は、夢だった〈怪獣映画〉を完成させることができるのか!?阜県関市。市役所の観光課に務める山田一郎はある日、市長から〝ご当地映画〟の製作を命じられる。しかしどこにでもある〝凡庸なご当地映画〟に疑念を持った山田は、かねてからの夢だった〈怪獣映画〉の製作を思いつく!いつも失敗ばかりでダメな自分を変えるため!パッとしない故郷を変えるため!怪獣で、全部をぶっ壊す!!しかしその想いは、市政を巻き込んだ大事件へと発展していく…!果たして山田は、夢だった〈怪獣映画〉を完成させることができるのか!
公式サイトより引用
ということで、関市の市役所職員が映画を撮るぜ!せっかくなら昔から好きだった特撮怪獣で撮るぜ!というお話。
厳密に言うと町おこしのご当地映画が怪獣映画になるまでの過程にもすったもんだがあったりします。
そして企画制作のファニーパンドラ、というのは芸能事務所タイタンが設立した映画製作の会社です。このタイタンはぐんぴぃ、つまり春とヒコーキが所属する事務所。つまりタイタンがド中心となって作成した映画ということになります。だから太田光代さんが制作総指揮としてクレジットされていると。
更に補足すると、脚本監督を担当した八木順一朗さん、普段はタイタンでマネージャー業も行っているというちょっと特殊な働き方をされています。
このタイタン体制での制作、お笑い好きには結構大きなポイントとなるので後ほど触れたいなと。
感想!狂いと怒りを昇華せよ!
まずは映画そのものの感想をド直球に書きたい!
本人もどこかで語っていましたが、冴えない主人公山田が自分の人生を「これで良いんだっけ。。。」とぼんやり悔いるシーンの説得力がすさまじかったなあと思います。
気力のなさがちょっとだけ観客を嫌な感じにする。ここでうわあ・・・って感じることが、後のカタルシスへ繋がるのでいいストレスだったなと。
基本的にはキャラ濃い目の二人、市長(清水ミチコ)と山田の上司武藤(手塚とおる)が画面を引っ張りながら話が進んでいくのですが、その中で個人的にいいなあーーーと思ったのが、三戸なつめ演じる古川、菅井友香演じる吉田の両名。
古川は良くも悪くもパブリック公務員らしい風貌、テンションを持ちながら徐々に制作が楽しくなってノッていく様子が自然ながら強烈に焼き付いていて、山田の熱が周囲に伝わるというこの映画の大きなテーマの一つを実は担っていたと思っています。
そしてプロデューサーとして奔走する吉田。
演じる菅井さんは映画初出演とのことでしたが、周囲の強烈なキャラに埋もれることなく、でも不自然にキャラ付けされているわけでもなく、自然なまま華と演技で存在感があって凄く良かったです。お綺麗!
彼らが中心となって映画が進んでいくわけですが、序盤の展開は良い感じにやるせなさとストレスを観客に対しても与えていて。山田の冴え無さとモチベーションの無さ、それでも上司の言うことは聞かねば・・・という状態がしばらく続くのは後半のカタルシスを感じる上で必要なストレスだったなと。ただそれも多少コミカル演技が入っている事で辛くなりすぎなかった。ここはキャラ演技強めの流れに感謝したところかも知れません。普段はこの系等ってそんなに得意じゃないんですけどね!!!!
この4人がチームになっていく流れ、そして山田の熱意で巻き込んでいく人々の動きというのがこの映画で一番グッときました。
正直に言えば、ブログの運営って結構大変というか、熱が冷めちゃったら終わりなんです。で、うちは嫁さんもオタクでしていろんな絵を描いたり遠征して観に行ったり、熱意満々で動いてはいるのですがどうしても疲弊したりはあると。
そんな二人で時々悩むのが、熱量がない自分に対してこれでいいのだろうかってなったり、何も作り出してない(記事とかイラストとか、あるいは積みゲーの消化とか・・・)自分ってどうなんだいというところ。
そんな衝動というか、動機に火を付けてくれる映画でした。好きなモノを好きだと言い切り、熱意をとにかく発散することで何かが変わるかもしれないし、そんな姿勢に人は惹かれるんじゃないかと。その気持ちが周りを動かし、周りの人に勇気付けられて山田もスピードを上げながら走り続ける。青春群像劇だなあと割とグッときました。
映画上映の終盤で先生に拍手をもらう山田のシーンを見て、不覚にもほろっと泣きました。まさかぐんぴぃに泣かされる日が来るなんてよお!めっちゃ熱くなれたけどめっちゃ悔しいよ!
もちろん他にもオススメポイントは沢山ありました。特撮ならではの撮影技法を盛り込むシーンは見てて面白かったし、本多監督の倉庫をオタク丸出しで見学する山田に引き込まれたし・・・
ということで、以下良かったポイントを箇条書きでざざざっと。
他の良かったところを箇条書きで!!!
- 特撮に詳しくないオレでも分かるようなオマージュがそこかしこに。詳しい人ならたくさん発見できたんだろうなあ
- 撮影が絶望的になったときに山田が暴れるシーン。負の感情の状態で一回カタルシスを味わうのに、次に繋がらない状況での破壊シーンはまさしく本多監督の言う「怪獣映画は怒り」という動機を表現するのにぴったりすぎた
- 映像的には爽快感があるのに場面や展開としては絶望、という落差が故にどこまでカタルシスを感じて良いのか感情が混乱しました。嫌な混乱ではなく揺さぶられる感覚。
- 市役所をぶった切るシーンはおそらく上司武藤の発案。それを匂わせる描写があったのが憎い(構想を考えるときに役所を見上げながら喋ってるシーンがある)
- こういうところに、山田の暴走ではなくチームとして怒りをぶつけた作品であるというのが見て取れるんですよね
- 最初は山田に半信半疑だったり上司との板挟みで上司を優先していた武藤が「オレ、もう一回スポンサー回ってくるわ」の一言で信頼を表現したのに痺れましたね。あそこで分かりやすくチームとして結束したのが分かると。
- 分かりやすくて良いんです!という気持ち。あと今までマウントというか、上司風を吹かせていた武藤が違う立場の話し方をしているのも良い!
- 刀鍛冶役を演じた平山さんがかっこいいのなんの。
- 序盤の山田に嫌がらせするシーンも、「好きだからやってるんだ」という後半の独白で回収というか、オレは本気なのにおまえらは・・・という気持ちが詰まっていたんだなと解消されて気持ちよかった。
- 映画内の映画、単純にご当地映画として凄い出来じゃね?と思ってしまった
- 元々サッカー界の住民なので、協賛企業(スポンサー)の取り上げ方が快感になるレベルでハマってて良かったなと
- 実際に映画製作に協賛している企業なので、宣伝効果というか観客に印象は強く付いたので、二重に良い構成だなあと感心しました
- 巨大ぐんぴぃの動きが気持ち悪い、とにかく気持ち悪い(褒め言葉)
という感じで楽しくみれながらもグッときちゃうし、なにより趣味を持っている人にはブッ刺さる部分が多い映画なんじゃないかな?という感想。
ただ私、映画に関してそこまで詳しくないので批評的なモノは全然出来ないんです。感想叩き付けてるだけです。
なので次記事ではちょっと角度を変えて、この映画の製作過程がめっちゃ面白い、という話をしていこうと思います!
長くなったので別記事で!!!
本当は感想と製作過程と、一個の記事で書こうと思っていたんですが・・・
あまりにも長くなってしまったので記事分けます。長すぎると読みにくいからね、感想軽めに書くつもりががちっと書いてました。
それぐらい面白い映画って話です。まだ見てない人は急いで観に行くんだ!!!!!