スマーフ対策はどこまで可能か?とあるOW大会から考える運営の姿勢

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先日、Nyam Gamingというチームが主催するOWのコミュニティ大会が開かれた。

この大会は、平均プラチナを売りにした中級者でも楽しめる大会、になるはずだった。

実際大会と言えば基本的にはただただ勝敗を競うだけであり、超上級者以外は余り縁が無い。

それでもコミュニティ大会ではこういったレート制限や平均を利用して、幅広いプレイヤーに大会を楽しんでもらおうという取り組みがあったりする。


ただこの大会はそうもいかず、最終的に決勝戦はまるでプラチナとは思えないような個人技の連発(チーム力とかそういう話ではない)になってしまった。

また参加者からも「ライバル数時間しか回してない分かりやすいサブ垢にぼこされた」という話がいくつか出るように、みんなが楽しめるような大会ではなかったようで。

もちろん大会を開くことは簡単では無いと思うし、試み自体は賞賛されるべきだと思う。一方でスマーフに対してどう抗うのか、もし不足していたものがあるとすればなんなのか、そんなことを色々考えていたので書いてみる。

ざっくりテーマとして

  • スマーフやレート詐称は防げるのか
  • 参加者の納得とは
  • レート限定大会は悪意と戦う必要がある

というのが今回のテーマです。

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スマーフは防げるのか

大前提として、スマーフはコミュニティ大会において防げるのか、という話がしたい。と同時に、このテーマについての思考を通して、この大会が抱えていた本当の問題点に迫っていこう。

厳密に言えば不可能

個人的な答えは「厳密に全て防ぐことは不可能」だと思っている。モラルのないプレイヤーはおそらく沢山いるし、レートを詐称して出場する手段は山ほど存在するからだ。

極端な話、プレイ時間や最高レートなどしっかり過去の証拠を集めても、アカウントの貸し借りや売買が行われた瞬間に防ぐことは非常に難しくなる。

配信者の大会が上手くいくのは、普段のプレイングが配信されているから実力やレートが担保されているという背景が大きい。サブアカウントの使いようがないからこそ成り立っている面は間違いなくある。

なのでぶっちゃけスマーフが発生することはしょうがない、とは思っている。というか今回不評が上がったのはそこが本筋じゃ無いと思っている。

バレバレなアカウントぐらいは防いで欲しかった

問題というか不満の原因となったのは、見るからにサブアカウントである人も弾けなかったことだと思っている。

実際、決勝に進出したチームメンバーのスクリーンショットがXで流れてきたが(気になる人は探してね)、分かりやすくライバルを数時間回しただけのアカウント

こういうアカウントですら運営のチェックをすり抜けた、参加者があっさり見抜けるようなサブアカウントを阻止できなかった、あるいは阻止するようなレギュレーションが用意されていなかった。これが問題だったのでは無いかと思う。

この記事を読んでくれたあなたはどうだろう、数時間しかプレイ履歴が無いアカウントにボコボコにされて、納得できるだろうか。

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参加者はどうすれば納得するのか

先に、「厳密に全て防ぐことは不可能」と書いた。ではどうすれば良かったのか。参加者が納得することが大事だと個人的には思っている。

運営の努力と姿勢が見えるかどうか

じゃあ納得を得るために必要なことは、と考えれば「防ごうとする姿勢」だったのではと思う。

咄嗟の思いつきだけど、こんなことをつぶやいた。

 

このあと調べてみたところ、今大会のレギュレーションとして設定されていたのは

  • 直近2シーズンの最高レートでポイント設定
  • サブアカウント禁止

というものだった。参加者が全員良識のある健全なプレイヤーだったら問題なく機能していただろう。

ただ、大前提として「スマーフ、サブアカウントは湧いてくるもの」として考える必要があったのだろうなあと思う。基本的に悪質な人間というのは湧く、賞金などが用意された大会ならば尚更そうなのだろう。

これらの悪意を少しでも退けるには、

  • 直近数シーズンのレートではなくアカウント歴代の最高レート
  • 最低100時間のライバルプレイ歴

という条件を設けるだけでもだいぶ違ったのではないだろうか。

スマーフが押し寄せる前提で、それを弾く必要がありそう

もちろん100時間かけてスマーフ用のアカウントを作ったり、人のアカウントを借りたり買ったりしたらさすがに防ぐことは不可能だ。

それでも、運営が阻止する姿勢が参加者にちゃんと届いていれば「そこまでやるスマーフが悪い」という心境に落ち着くのでは無いか

今大会のケースでは、参加者視点から“対応が不十分だった”という印象が残ってしまった可能性がある。

もちろん大前提として、一番悪いのはスマーフサブアカウントを利用したプレイヤーである。これは大前提。
その上で、それらを防止するための準備がもう少しあれば納得感は増したのではないかと考えている。

先にも少し書いたが、レート限定の大会は今後も間違いなくスマーフは現れると予想している。賞金や賞品のかかった大会ならそれ目当て、そういったものがないほのぼの大会でもただただ人を不快にするためだけに参加する可能性すらある。

こういった迷惑行為には常習性や再現性があるため、レート限定大会を開く際には間違いなく「悪意と戦う」ための仕組みやリソースが要求されることになりそうだ。

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これからコミュニティ大会を開く場合

ということで、これからコミュニティ大会を開こうとしている方にはここら辺の整備が求められるのではと思っている。

  • 参加者のプレイ履歴に一定の時間があることを参加条件とする
  • 大会期間中は戦績をOPENにし、対戦相手からも見える形にする
  • 現ランクではなく、歴代の最高ランクを判断材料とする

これらを制定するだけでも、だいぶ参加側の安心感は違うのではないだろうか。

レート制限のあるコミュニティ大会にユーザーが望む者は、「同じぐらいの実力を持ったチームと良い試合をしたい」というもの。それを叶えるためにはこういった条件が必要だと思うし、9割のユーザーは何の問題もなくこの条件を突破できるはずだ。

そして多少労力が増したとしても、そういった地道な取り組みで得た信頼や実績はその場の盛り上がりに留まらない。

競技シーンに参戦しているチームであればファンが増えるだろうし、次回開催時に好評であれば規模が広がったり大会放映の視聴者が増加する可能性だって高まる。配信者の主催であれば、ファンの増加は視聴者数に直結するわけでそれもまた大事。

つまるところ、参加者のことを本当に考えて手間暇かけた大会やイベントが生き残っていくという至極まっとうな結論なのだが、まっとうな理屈を愚直にこなすことは簡単ではない。だからこそ、開催を計画している人には是非頑張ってほしいなと思う。

そしてそういった大会が行われたら、取り組みが賞賛されるような参加者の感想が出回る、そんな幸せな未来が観たいものだ。