つい先日、オーバーウォッチワールドカップが開催されました。
日本代表は死のグループとも呼ばれたCグループで、惜しくもグループステージ敗退を喫しましたが強豪国であるフランスに勝利、優勝したサウジアラビア、まさかのSuperがタンクに起用されハイパフォーマンスを見せたアメリカ相手にも善戦を見せ、素晴らしい戦いをしてくれました。
そんな日本代表でDPSかつフロントマン的立ち位置でチームを牽引したのがnico選手。
(ご本人のX→@nico_oqより引用)
Twitchでの配信活動も精力的に行っており、私もよく視聴者として楽しませていただいてます。
そんな配信の中で、リワーク後のソンブラを必死に練習する日があったんですが、その配信が日本トッププレイヤーたる所以と、上達の為に欠かせない心がけ、そして何よりnicoさんの魅力に溢れていたんですよね。
なので、その事例を紹介しつつ上達に役立ちnicoさんのファンになっちゃうような記事を書こうと思い立ったわけです。是非最後まで読んでね。
nico選手の紹介
まずもってnico選手の紹介から。
VARRELの中で最も知名度が高いであろうフロントマン。
ピックプールが広く、どのマップでもほぼ必ず起用されるプレイングの幅、そして好調時にトレーサーやソジョーンで無双するその集中力は間違いなく日本トップ。
一方で配信で見せる姿は連敗に心が壊れたり高圧洗浄機シミュレータでその心を癒やしたり、決してストイックなだけではない人間的魅力がある。詰まるところ、皆に愛される日本のエース。
nico、リワーク後のソンブラに挑む
そんなnicoさんが、リワークされたソンブラを練習し始めました。
このリワーク、以前からOWをプレイされていた方には伝わるかと思いますが、全く別の動きが要求されるような大幅リワークとなっていました。
以前はビーコンを置いておき、体力がローになったらビーコンへテレポートして逃げる、というスタイルだったのが「その場からビーコンを投げて投げた先へテレポート、そしてその軌道は見える」という変更。
詰まるところ、逃げにくくなったわけです。その分設置しておいたビーコンを壊される事も無くなったため
「戦闘から離脱する難易度が上がったが継続戦闘や離脱後の戦闘復帰が早くなった」
という印象でした。
このリワークに対して、いきなり超トップ層のランクマッチでひたすら使って慣れる、強い使い方を模索する、というチャレンジを始めたnicoさんでしたが、その挑戦は壮絶なものとなりました。
Youtube動画はかっこいい
こちらがYoutubeに上がった動画
この動画では、
「真上にビーコンを投げて、対空時間中に透明になる」
というバッタ戦術を生み出しキャリープレイを見せています。
この裏にはとんでもない苦悩が
ですが、私見てました、このときの配信をリアルタイムで。
冒頭に出てくるメモ。ちゃんと立ち回りに必要なポイントを書きながら試行錯誤していたんですが、この試合以降段々立ち回りで迷子になり始めるんです。ファーストデスを繰り返したり、全く刺さらない動きになりダメージもキルも取れなくなったり・・・
そんな試合が続き、立ち回りメモに
「・ごめん」
という悲しい文字が刻まれるほど苦しんでました。ご本人も
「このままじゃ回避リストに突っ込まれまくっちゃうしマスターまで落ちる・・・」
と呻き、嘆いていました。
プロが見せる、上達に必要なこと
この配信を私は半分笑いながら、しかしもう半分は感動しながら見ていました。
「上手くなるためにプレイする」という鋼の意志
nicoさんは、プロのプレイヤーです。日本でほぼ唯一と言っても良い、OWのプロチームに所属し日々プレイしています。つまりnicoさんが目指すのは「プロとして結果を出すこと」であり、一般的なプレイヤーが目指す「ランクを上げること」とは全然違うところに目標を置いているわけです。
プロとして結果を出すために必要なのは、とにかくプレイヤーとして上手くなること。だからリワーク後のソンブラが刺さらず、辛い試合展開が続いてもnicoさんは繰り返し繰り返しソンブラに挑み続けました。
もちろん練習用にサブアカを使ってる、という要素もあるにはありますがそれでも執念に似たこの意志の強さ。そこに私はプロとしての輝きが見え、感動しちゃったわけですねえ。
私が昔、とあるスポーツでプロを目指しながら叶わなかった理由の一つに「上達を目標に置く」ということが出来なかったという人生の後悔があり、それをまさしく体現するnicoさんはプロフェッショナルとしてあまりにも理想的、そんなドキュメンタリーな配信を生で見れたことを今でも嬉しく思います。
折れそうな心を隠さない、愛される人柄
どんな立場から物言ってんだ、と言われるかもしれませんが私はあえて言いたい。
心折れかけてる時のnicoさんは声がシナシナになります、もちろんそれでも行動は折れること無くすぐ次のマッチにキューを入れるんです。そのギャップに、完璧人間では無い親しみと応援したくなる魅力があると思っています。
そしてこれは、配信でしか見ることが出来ない姿だったりします。Youtubeは基本的にキャリーした試合が動画化される場なので、nicoさんが藻掻いている姿は残りません。だから是非みんな配信を観に行って欲しいな、なんて思います。
最近ぐんぐん視聴者数が伸びていますが、もっともっと伸びて欲しいです。マジで。
見習いたい「上達への執念」
この配信を機に、私も改めて強く意識するようになりました。
「上手くなるためにプレイしよう」
これは結構大事なことで、勝敗は水物なんです。運も味方も絡む。だから自分に出来ることは最善を尽くし、試行錯誤し、上達すること。それが出来ていれば結果として徐々にランクが上がるはずだと。
これを強く毎試合意識するようにしてから、一時期はプラチナ4まで沼って落ちたDPSのランクがダイア2まで上昇、一気にマスターを目指せるレベルまで上がってきました。もちろん試行錯誤するから上手くいくこともあればチームの足を引っ張ることもあります。それでもブレずに上手くなるためにプレイ、勝つために全力は尽くすが全てではない、と言い聞かせてからOWが楽しくなったし明らかに立ち回りが変わりました。
もちろんnicoさんのような練習は特殊です。彼にとっては日々のランクマッチがトレーニングでVARRELとしての試合が本番なのですから、我々と立場は違います。それでもその姿勢と折れない心は学びたいな、と強く思いました。
プレイヤーの手本こそプロであるべき、と思っている私としてはnicoさんは最高のプロプレイヤーの一人です。