名盤紹介 THE BACK HORN「ヘッドフォンチルドレン」壁にぶち当たっている人に届けたい衝動とは

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音楽
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ロックを中心に音楽を聴く筆者が独断と偏見まみれでオススメアルバムを紹介する

 

「やまゆーの名盤紹介」

 

今回は、THE BACK HORNの作品から

 

 

ヘッドフォンチルドレン

 

 

をご紹介したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

このアルバム、筆者が壁にぶち当たったときにひたすら聴き込んでいた個人的思い入れの強いアルバムである。

もちろんそれを抜きにしても初期のTHE BACK HORNの良さが詰まっており、聴いたこと無い人にはベストアルバムよりもおすすめしたい一枚だ。

 

何が筆者の心を動かしたのか、どんな魅力が詰まっているのか。

 

 

どうぞご覧頂きたい。

 

 

 

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概要

 

 

ヘッドフォンチルドレン』は、THE BACK HORNの4枚目のフルアルバムであり、2005年3月16日に発売された。

彼らの代表曲となるコバルトブルーやキズナソングなどが収録されている。

 

 

 

 

各曲紹介

 

 

 

1.扉

 

 

歪んだベースが淡々となりひびくイントロから始まる1曲目。

「この扉 ノックする 確信のリズム」

という歌詞から始まるようにノックをイメージしたサウンドなのかなあと思いつつ。

かの有名なベートーヴェンの交響曲第5番、通称「運命」では、イントロの4音を

「このように運命は扉を叩く」

 

と表現したとされるが、この曲は自分がノックする側だ。

当時のインタビューを探すと

「前作(イキルサイノウ)から、より新しい方向性を模索した」

 

という発言が目立つ。

自分たちの歌は、作品はどの扉を開ければ出来て、どの扉の先に届けられるのか。

そんな試行錯誤を彷彿とさせる一方、聞き手に対して

 

とにかく扉を叩いて開けろ!そこには何かがある!

 

と、淡々としかしエモーショナルに呼びかける山田将司のボーカルが胸を突いてくる。

このアルバムの方向性を沸々と醸し出すオープニングナンバーだ。

 

 

2.運命複雑骨折

 

 

タイトルのインパクトが凄い。

とにかく前半は歌という物をdisっていく。

「表現は所詮排泄だ」という言葉はかつてアベフトシが

俺らのステージはオナニーと同じだからね、気持ちいい!っていう…」

と表現した言葉に通じる物がある。

 

かつて筆者は18年に渡って夢を追い破れて諦めた経験がある。

そんな筆者に刺さったフレーズは

 

「空腹に負けるぐらいの才能で何を生み出した」

「夢見る凡人 迷惑なやつでごめんなさい」

 

というフレーズ。

 

夢を追え必ず叶う、そんな綺麗な歌詞よりも余程傷を抉ってくる。

それでも最後には、自分の衝動に殉じて死ねと言い切る。

そこには売れたい、稼ぎたい、有名になりたいを越えた表現の本質がある。

 

表現者が自分に感じる価値、そして衝動を詰め合わせた感情の雪崩を聴いて欲しい。

 

 

3.コバルトブルー

 

 

今なおTHE BACK HORNの代表曲として知られているこの曲。

激しいイントロから一気に楽器全てが畳みかけてくる。

特徴的なリフはギターとベースのユニゾンで厚みを持って迫ってくるし、そこからの盛り上がり、そして入るAメロへの流れは何度聞いても鳥肌物だ。

 

 

歌詞のテーマには

「特攻隊出撃前夜」

というものがあり、それを知ってから聴くとなお心に刺さってくる。

 

「この夜が明ける頃 俺たちは風になる」

 

から始まる歌詞は特攻隊をテーマとしながらも、なぜか戦争とは無縁の日常に暮らす筆者にも響いてくる。

それはTHE BACK HORNというバンドの特色でもある

「抽象的ながら胸を刺す歌詞」

というものから来ていると思う。

 

決して具体的ではないし、明確に何かを描いているわけでもない。

だが多くの人に引っかかりや心当たりが出来るような歌詞を書くからこそ、特攻隊の歌と知らずとも夢中になり知った後はひと味違った感覚を覚える。

 

ライブでは今でも絶賛演奏されるこのナンバーは必聴だ。

 

 

 

4.墓石フィーバー

 

 

ここまでの曲とは打って変わりアッパーな一曲。

ただただ踊ってナイトフィーバー。

なのに描かれる光景は地獄。

 

賽の河原で踊ったり死ぬなら誰かを道連れにしたかったり。

決して単純にパーリィピーポーにならないのがこのバンドたる所以か。

頭空っぽにして聞くべし。

 

 

 

5.夢の花

 

 

本人達が新境地と語った曲。

暖かいというか切なめというか、それでいていつも通りに揺れ動くベースラインが感情の波を誘う。

山田の歌い方もファルセットを使いながら少し語りかけるような。

 

決して夢は叶うとか無責任なことは言わず、ただ自分の中の夢の花を咲かせようと歌いかける。

あくまでも結果ではなく道中、過程を説く歌詞が新境地といえどもTHE BACK HORNらしい。

 

とはいえ新境地なのもまた事実で、暗い激しい曲しか知らない知人に聴かせたら

「なんか変な物食べたときに書いたのか?」

と心配はされていた。

 

 

 

6.旅人

 

 

 

筆者が一番好きな曲だと思う。

この曲と出会ったのはニコニコ動画のマイクラ実況で名を馳せた

「えふやん」

という動画投稿者が口ずさんだのを見たときだ。

 

うろ覚えな上に本人ではないが、それでもAメロをなんとなく聴いただけでこれはたぶん好きになるなと思っていた。

この曲が入っているが故にアルバムを手に入れたと言っても過言ではない。

 

 

アップテンポながらも淡々と進んでいく曲調。

それはサビでもそれほど変わらず。

タイトルと歌詞が合わさって、歩を進めていく感覚に陥る。

 

 

捜し物なんて本当はもうどうだっていいんだろう?

歩き続けていくために 歩き続けていくんだろう

 

 

どうすりゃこんな歌詞をかけるのか。

旅はそれ自体が目的だというのは旅行をする人なら知っているとは思う。

だがそれを、メッセージソングともとれる書き方にどうすればたどり着けるのか。

 

更にサビでは

 

絶体絶命の毎日を 突き抜け銀河に届け

果てなき大地を蹴り上げて 命よ天まで届け

 

と言っている。

何が突き抜けるのかも分からないし、まさしく抽象的すぎる。

だがメロディと楽器にこの歌詞を乗せた瞬間に、一気に説得力を持って心に迫ってくる。

 

絶体絶命なのはピンチの時ではなく、毎日なのだ。

みんな毎日大変だろう?

 

そんなことを分かって歌ってくれるから、あらゆる人に刺さるのかもしれない。

 

一番好きなフレーズは

「泣き顔のままで笑ったら 旅路は花びら景色」

 

 

 

7.パッパラ

 

 

出だしからパッパラ叫び続ける。インパクトが凄い。

 

そして歌詞が暗い、つらい、ドロドロ。

負の面全開!って感じ。

 

この曲を好きになれるならあなたはTHE BACK HORNが好きになる。

そんな試金石。

 

もちろん単純に曲は滅茶苦茶かっこいい。

疾走感もあるし、ダンスフロアが歌詞に出てくることもあってダンスビートに寄せている部分もある。

自分が駄目人間だと思っている筆者にとっては救いにならないが気が晴れる、そんなナンバーだ。

 

 

 

8.上海狂騒曲

 

 

この曲一本で映画撮れそうじゃん。

そんな曲です。

 

マフィア都市で矜持を忘れないながらも、くそったれの状況と戦い続ける男。そんな感じ。

BLACK LAGOONとか好きな人はこの曲好きになると思う。

 

あんまりこのバンドは物語的な曲が少ないイメージなんだが、ここまでドストライクに僕の好みに物語曲を作られると惚れますね。

世界観、曲の雰囲気、イントロからの転調、全てが好き。語彙力無くなるぐらい好き。

 

 

 

9.ヘッドフォンチルドレン

 

 

アルバムタイトル、リード曲とも言える。

 

スカ調のメロディに、やや無気力な山田のボーカルが重なってくる。

そこにあるのはたかが音楽、救いは無いと吐き捨てるくせにヘッドフォンが外れただけで蹲る弱っちい男の心情。

 

それをひたすら、狂うように歌い続けたTHE BACK HORNというバンドが取り上げた意味。

 

それを理解してから聴くと凄まじいことなんだなと改めて思った。

音楽は力にはなれても救いにはなれない。

自分がヘッドフォンを外し、外に向かって何かをしないといけない。

 

音楽を売るのではなく、リスナーに届けたいからこそ善悪の概念を抜きにそのメッセージを込めた心意気に拍手だ。

 

あと後ろでなるサウンドの物悲しさよ。

ビールじゃなくて安いのどごし生みたいな第三のビールを飲みながら聴きたい、そんな感じ。

 

 

 

10.キズナソング

 

 

誰もがみんな幸せなら 歌なんて生まれないさ

 

という悲しいような歌詞から始まる名曲。

 

この歌詞、最初は悲観的だなあと思っただけだった。

 

だがある漫画を読んだことで捉え方が変わったのである。

 

 

その漫画とは、福本伸行先生の名作麻雀漫画

 

「天~天和通りの快男児」

 

 

 

 

 

 

この中に出てくる天才雀士、赤木しげる。

彼があるシーンで放った言葉がある。

 

 


(ⓒ福本伸行)

 

超翻訳すれば

「無念に感じるからこそ、願いや熱い気持ちが輝く。

 上手くいかないからこそ面白い」

という話を、とんでもない説得力でする。

 

福本作品の中でもトップクラスの名言だ。

 

これを理解してから聴いたときの衝撃ったら無い。

 

そして歌詞を彩るのはなんでもない日常。

「ありふれた小さなキズナでいい」し、

「今はまだ小さな光でいい」のだ。

 

壮大でも何でも無い、我々の生きる道とは端から見たら地味だし平凡かもしれない。

 

でもそこにはそれぞれの悲しみもキズナも光も夢の花も絶体絶命もある。

 

何が出来るかは分からないが傍にいるし、歌うし、見えなくても明日へ向かうのだ。

 

 

背中を押してくれる優しい曲でこのアルバムは締めくくられる。

 

 

 

 

 

総括

 

 

 

THE BACK HORNは軽率なことは言わない。

一歩一歩進むこと、過程を頑張ること。

 

そんなメッセージだからこそ、壁にぶち当たっている人に届いて欲しい。

結果は所詮結果だ。

叶うか叶わないか、そんなの誰も分からないし運で変わってしまうかもしれない。

 

大切なのは自分の意志だ、過程だ。

自分を突き動かす衝動、激情なのだ。

それに殉じて生きていこう。

 

 

そんなことを教えてくれつつ、アホみたいにアッパーな曲も忘れない。

 

 

そんなTHE BACK HORNというバンドの幅が広がったアルバム。

今聴いても古びることなく胸に迫ってくる。

 

是非聴いてみていただきたい。

 

 

 

 

 

 

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