今回は、とあるバンドを紹介したい。
その名は「シュノーケル」。
かつてアニメ「NARUTO」のオープニング曲に採用され、人気を博したバンドだ。
今回はそんなシュノーケルの魅力を好き勝手に語っていきたいと思う。
概要
シュノーケルは2004年結成のスリーピースバンド。
2010年から一時休止をはさみ、2014年から再び活動中。
「NARUTO」「牙」「銀魂」のアニメ主題歌を担当し、今なおアニメフェスや海外のイベントで活躍している。
全員メガネの風貌から繰り出される爽やかに熱いロック。
とにかく爽やか
基本的にシュノーケルの楽曲はとても爽やかだ。
決してハードに歪ませすぎず、疾走感を伴って心地よく響くギターサウンド。
決して下支えで終わらない、小洒落ながらも邪魔にならないドラム隊。
聴いていて、とても耳心地が良いといえば漠然としているかもしれない。
けれども正直そうとしか言えない。
そこに乗っかる、少しだけ気だるげな雰囲気を纏いながら熱を感じさせる西村のボイスがまたたまらんのです。
スローテンポから8ビートまで、存外に幅のある音楽性もまた、ヒット曲を追うだけでは拾いきれない魅力の一つだ。
歌詞がちょっとほろ苦い
そして個人的にフューチャーしたいのが、歌詞。
ベタベタに甘かったり辛いのではなく、ちょっとほろ苦かったり小さな希望があったり、少しだけ大人びたような歌詞がめっちゃ好きです。
例えば僕の一番好きな曲「エスパー」では、
あの電柱から 次の電柱まで
君のことを 思い出していよう
という歌詞が出てくる。どうだ、等身大ってのはこういうことじゃないか。
完全に振り切ったわけでもなく、ちょっとだけ思い出すことを自分に許す。
そんなほろ苦さが、もうね、たまらんよね。
他にも名フレーズがたくさんあって、
偶然だって装って 君の目線で立ち止まる
強引だってなんだって 真っ直ぐ見つめたい
(ナツカゼ)
こんな経験あるでしょ!?無理矢理でも目線合わせて何か起こらないかなって期待したよね!?
煙を吐く思考の歯車は 直にこの雨音に飲まれて
悲しくギシギシと音を立てているだけ
動きたくても頭ばっかり働いてなんにも行動に移せなくて、なんて経験もまたほろ苦いよねえ。
というように、決して具体的ではないのに多くの人に刺さるような、俺好みの等身大の歌詞をブッ刺してくれるのがこのシュノーケルというバンドなのです。
語感と韻で遊ぶセンス
で、もう一個歌詞に関して特筆したいのが韻を踏むセンス。
正確には韻を踏むリズムの良さと語彙のセンスが、しっかり曲の中で生かされているという点です。
これは曲を聴いてもらうしかない部分ではあるんですが、例えばデビュー曲である「大きな水たまり」から引用すれば、
ピースメイク風に乗って
無理からからくり仕掛けたキューピッド(略)
四苦八苦あわやキューブリック
転がるボール空へ向けトゥキック
沈みゆく水平線の夕日 とても憎いです
という一連のサビ歌詞がある。
ゆったりとした、切な目の曲調に乗せて韻を踏みながら歌うサビが好きすぎる。
しかも前述したような、ちょっと背伸びした歌詞を貫きながらだし単純にメロディーも良い。
オススメ曲
ここからはオススメ曲を紹介。
ナツカゼ
シュノーケルの中でもかなり力強い楽曲。
がっつりロックしてるのに、歌詞はちょっと強気になっただけなのがいいよね。
イントロからドラムが入って加速する瞬間が気持ちいい。
エスパー
個人的に一番好きな曲。
だけどPVがない!残念!!
マイナー調で悲しさを予感させながら疾走感も伴う始まりから、サビまで駆け抜ける音楽に乗る弱虫な歌詞。
このアンバランスさがずっと胸に刺さる曲です。
失恋したとき、無限リピートしていたせいで今聞いてもその失恋を思い出す悲しさもありつつ、本当に好きな曲です。
天気予報
聞いてて好きな曲はエスパーなんですが、一番シュノーケルっぽさがある曲は?と言われれば挙げたいのがこの「天気予報」です。
ミドルテンポの曲めっちゃええやん!って印象が一つ。
歌詞にやられたのが一つ。
不似合いなクサい台詞も 僕なりに遠回しで
真っ直ぐに見つめられてしまうと 用意した言葉飲み込んだ
これね、めっちゃいいでしょ。綺麗事を言い過ぎず飾りすぎず。
んで、ミドルテンポのカギを握るのはリズム隊だと思ってるんです、個人的に。
そのドラム隊のなんとおしゃれなことか。特にBメロからサビに入るあたり!
ロックンロールというよりは本当に聴かせる曲で、声質と曲調と歌詞が全部ドハマリしているんです。
アニメ経由で主題歌っぽい曲しか知らない人にこそ聴いて欲しい。
色あせないバンドをみんな聞いてくれ
ぶっちゃけもう16年とか前なんですよね、世間的にブレイクしたのは。
でも今聞いても全く古く感じないし、他に似ているバンドがあまり思い付きません。
最近でも頑張って活動しているし、なんとか一度みんな聞いてみてほしい。
ちなみにオススメはベストアルバムである「Best+」です。
有名どころからシュノーケルらしさ全開の曲まで網羅できます。まずはこれから。
Spotifyにあるので、そこからでも聞いてくれ!
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