『姫様“拷問”の時間です』15話で聖剣エクスが持った「役割」【漫画レビュー】

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最近アプリでマンガをよく読むようになりました。ジャンプ+、マガポケなんかをよく読んでいます。

アニメゲーム読書映画といろんな趣味を広く浅く触ってきた自信がある私ですが、マンガというのはそこまで通ってこなかった、その上週刊誌を買うという行為を全くしたことが無かったので、現行の作品を週ごとに読むというのが新鮮でめっちゃ楽しいです。

 

で、最近ハマった作品が『姫様拷問”の時間です』という作品。

 

 

2024年からアニメ化も決定している人気作品。

全然触ったことも無かったのですが、これが結構好きになってしまい先週辺りに全話一気に読んでしまいました。で、その中で何話かターニングポイントになるような回があったので語らせて欲しい。

その回とは「第15話」です。

 

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マンガの概要あらすじ

 

まずもって、このマンガを知らなかったぜって人向けに簡単なあらすじを。

 

あらすじ

 

魔王軍に囚われた国王軍の姫は、軍の秘密を話すように“拷問”を受けることになる。数々の死戦を潜り抜けてきた姫には足らないと思われたが、“拷問”と称して美味しそうなB級グルメやもふもふの動物を見せつけられ、その誘惑に屈していく。

Wikipediaより引用

ということで、これは実際その通りなあらすじなのだが何が何だか分かりにくい。

もうちょっと解説すると、

「拷問だが苦痛では無く、屈すれば素敵な誘惑物を満喫できるぞと促される」

という話だ。

目の前でチーズフォンデュを美味しそうに食べたり、クッキーを食べさせたあとに「紅茶が最高に合うなあ・・・」と飲みながら紅茶を飲みたければ屈しろと催促してみたり。

ゆるくニコニコしながら読めるギャグ漫画である。

つまり、アニメ化の立ち絵は完全に狙って作られたウソ宣伝みたいな物だ。


©春原ロビンソン・ひらけい / 集英社・国王軍第三騎士団

 

全然かっこいいアニメでもなんでも無いのである。良い作り込みだなあ…

ちなみに正体がばれている漫画の方はこちら。


©春原ロビンソン・ひらけい / 集英社

はい、つまりこういう話な訳です。

 

概要

 

連載開始は2019年4月。

2020年に「次にくるマンガ大賞2020 Webマンガ部門」を受賞するなどジャンプ+で着々と実績を積み上げた。総閲覧数1億超えという驚異の数字を持つ怪物コンテンツである。

 

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最初、この漫画にハマれなかった

 

これだけべた褒めして最新回を待ち遠しく思っている私ですが、最初は全くハマりませんでした。

 

「食欲で国を売るなよ」と本気で思っていた

 

ちょっとここからは赤裸々に書きますが・・・

軍を率いて戦闘で戦う、まさに鬼神のような姫ですよ。

そんな姫が食欲や動物の可愛さで国を売る、なんて全く共感できないじゃないですか。こんなわがまま一つで何千人もの命が奪われるかもしれない、と思っちゃうと全く笑えない、私は本気でそんなことを考えちゃうタイプ。

 

相棒である聖剣「エクス」が可哀想

 

そんな姫様は、人格を持った聖剣「エクス」を相棒として持っています。

なぜか牢屋にも一緒に居るという。

エクスは姫に本気で惚れ込んで、本気で信じてるんですよ。そんな相棒を裏切るなんて、という気持ちも持っちゃいました。

 

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転機となる15話

 

そんな私にとって大きな転機となったのが、15話目です。

 

※ネタバレ注意!!!!!

 

ここから先はゴリゴリネタバレが含まれます!

未読の方は急いで戻って読んできてね!!!

 

「エクス」が屈する回

 

そう、この15話とはエクスが拷問に屈する回なんですよね。

剣のメンテナンスを中途半端に施され、「仕上げて欲しかったら屈しろ」と。

 

冒頭に姫様への信頼を失った描写がある

 

この回の先頭に、エクスが姫を信じられなくなったという描写が入っています。

「どんな拷問でも好きにやればいい、どうせ姫様は話す」

こんなセリフを言っておいて、エクスはいとも簡単に屈してしまいます。

「おふ~ん」なんて気持ちよさそうな声まであげてしまう始末。

こうして屈した者同士、姫とエクスは再び相棒となります。最終ページをよく見ると分かるのですが、エクスが屈したことを姫に謝る際、姫は嬉しそうな顔をしながら「ふふ…」と笑っています。

 

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なぜこの回がターニングポイントなのか

 

ではこの回がなぜターニングポイントだと思ったのか、なぜこの回を語ろうと思ったのか、それをここからゴリっと掘っていきます。

 

この世界は全員が優しく、ポンコツである

 

そもそもこの世界観を形成しているのは、この大前提があるからです。

拷問する側も、どんな秘密を聞き出すべきなのか一切分かっていない様子が15話までの時点で色濃く描かれているし、そもそも拷問自体も上手く言っているとは言いがたい。姫が更にポンコツだから秘密を聞き出せているだけです。

とはいえ、この段階では拷問官と姫がポンコツなだけ。

その世界観を一気に強化するのが、この「エクスの屈服」なのです。

 

エクスのツッコミに説得力が無くなる

 

エクスと言えば、テロップのように状況を整理しつつツッコミを入れるポジション、だからこそどちらかと言えば立場は読者のような第三者的目線です。

それもあって多分私は、エクスが可哀想すぎると思ってしまった。

それがこの回を経ることで、

  • エクスもポンコツであり言い訳をしながら屈した
  • つまり「正しい立場」にいるキャラが一人もいなくなった

と言えます。唯一の常識的ポジションだったエクスを失うことで、この世界が全員ポンコツであるという設定が一気に強化されるのです。

 

魔王も側近も、全員戦う気が無い

 

更に話を読み進めていくと分かりますが、そもそもポンコツと言うより魔王軍は誰一人戦争を望んでいる描写がありません。

ガチで役に立ちそうな『警備の手薄な曜日』とか『隠された武器の場所』といった情報が手に入っても、魔王の子供が運動会だーお墓を荒らすのは可哀想だーと色んな理由で作戦の実施は中止されます。

もっと言えば人間の国王側にプレゼントを画策したり、「姫が逃げたいなら逃げても良いんじゃないかなー」なんて発言をしたり、全く戦う気が無い。

この価値観が強化されればされるだけ、我々読者は安心して姫様のポンコツっぷりを満喫することが出来るのです。そしてその方向性を一気に示したのが15話であると私は考えています。

 

この世界全員ポンコツ度合いがどうやって描写で強化されていくのか、気になる人は是非読むべし。

 

 

 

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悪い奴がいない癒やされ漫画、オススメです

 

ということで、この漫画はマジで面白いです。

ゲラゲラ声を出して笑うような作品ではないし、続きが気になる!なんて漫画でもないです。一話完結をしながらちょっとずつ全体の話も繋がってる的な展開なので。

でも気がついたら何話も何話も読んでしまう、一話読み終わったら次を自然と開いてしまう、それだけ「居心地」が良い漫画だと思っています。なんも頭を使わずにほんわか楽しめる。

なので忙しい人とかちょっとストレス溜まり気味な人、是非読んでください。

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