最近やたらハマってるゲームがあります。
それがメタルスラッグです。
メタルスラッグとは
1996年に第1作リリースされた2Dアクションゲームである。 特殊工作隊員であるプレイヤーが、反乱軍やテロリストの軍事基地、または得体のしれない場所に潜入し、味方捕虜の解放や敵軍の殲滅、秘密兵器(ボス)の破壊などを行う。 秒間30フレームで表現されたドット絵アニメーションや、映画のパロディなども含めた演出が特徴。一部の作品を除き、ストーリーの説明に文字や言葉が一切使われず、ゲーム中の演出やデモでストーリーが進行する。
—-Wikipedia
アーケードゲームの2D横スクロールシューティングですね。
皆さんもこんな画面見たことあるんじゃないでしょうか。
今回はPS4のゲームアーカイブスで出来心で買ってからどっぷりハマっているこのゲームについて書いてみようかと。
初代しかやってないので無知はお許しください。続編買ったらまた書くよ。
では、どうぞー。
アーケードゲームの刹那的プレイ
これは僕がアーケードゲームもCS機も、そしてソシャゲもちょろっとやった経験からなんですけど、
・プレイを重ねて強化していくゲーム
・毎回ゼロから始まるゲーム
どっちもありますよね。
物凄く単純な例で行くと、ドラクエとスマブラです。
ドラクエはキャラを育ててストーリーを進める。
スマブラはとにかく自分の腕を磨く。
僕はゲームをするとき、時々この分類を考えることがあります。
そしてこの分類のバランスはそのままゲームの醍醐味に繋がることも多いです。
それを考えるきっかけとなったのはモンスターハンターシリーズ。
それまで僕がプレイしたゲームは、倒せなきゃ強くなるしかねえ精神だったわけです。
ラチェット&クランクでは新たなガラメカを買い蹂躙。
マリオストーリーではバッジをジャラジャラと付ける。
ところがこのゲームではそうもいかない。
キャラの強化は出来ず、武器と防具を強くするのみ。
それにしたって更に強い武器を作るには強いモンスターを狩るしかない。
となると何度もキャンプへ戻されながら腕を磨いていくしかない。
強化が頭打ちになる、そのバランスが絶大な人気を誇ったのだろうと思っています。
逆にその努力を金銭によって代用できるようになったのがソシャゲ。
強化アイテム、レアリティ高いキャラ、等々。
フリーな時間を持てない方々が競い合った先はガチャだった、というね。
もちろん最近はその壁を超え、面白いソシャゲも出てると思います。やってないからあんまりわかってないんですけども。
そういったレイヤーで見たときに、アーケードゲームは極限まで刹那的なのではないかと思います。
これは舞台の話ではなく、ゲームの構造としてです。
特に対戦ゲームはこのプラットフォームから進化を遂げたこともあり、身に覚えのある方も多いかもしれません。
100円玉を入れた瞬間に手に入れられるのは1プレイ分の権利だけ。
対戦系のゲームは有利不利なく戦うためにルール上当然ともいえます。
一人でクリアを目指すゲームでも、アーケードゲームは手厳しいです。
何度ゲームオーバーになろうが、積み重ねることが出来るのは自分の経験だけ。
プレイするたびに呼び出される主人公は、何も変わらない。
これはアクション、ガンシューティング、音ゲー等で経験したことある方も多いかもしれませんね。
その救いのなさに痺れ、何回もやってしまう、連コインしたくなってしまう。
刹那的なゲームプレイには、そんな密度と魅力が詰まっています。
(これはアーケードに限らず、CS機でも初期~SFCあたりまで主流だったとも思っています。 が、今回はアーケードを抜粋して記載しています。個人的にアーケードゲームの魅力の一つだと思っていること、こういったゲームが減少してること等踏まえてです。あしからず。)
舞台設定
そもそもタイトルの
「メタルスラッグ」
とはなんじゃ
という話ですが、この子です。
© SNK PLAYMORE
そう、この戦車こそがメタルスラッグです。かわいい。
簡単なストーリーとしては、
反逆軍がクーデターを起こし、国家が転覆。 正規軍は捕虜にされ、わずかな生き残りがレジスタンスとして息を潜めていた。 しかし正規軍の機密兵器であるメタルスラッグを奪われてしまった。 反逆軍の拠点の破壊、ならびにメタルスラッグの奪還を目指して、絶対に失敗の許されない任務が幕を開ける・・・
といったもの。
この戦局をも左右する兵器こそがメタルスラッグなのです。
コミカルさ、爽快感に紛れ込む戦争の描写
しかし、かわいい。
非常にかわいい。
ゲーム上ではこのように表示され、なんと飛んだりしゃがんだりできちゃう。
どんな構造なんですか。
しゃがんだり
とにかくめっちゃ可愛いんだよ!!
そう、この作品、非常にコミカルに動く。
その動きは単純に操作するだけでも快感です。
「動かすだけで楽しい」というのはアクションゲームに欠かせない要素で。
んでこのメタルスラッグという作品、
秒間30フレームでドット絵が動くという驚異的な性能を有します。
常軌を逸したドット絵の描きこみ、動きは必見ですほんと。
しかしプレイすると分かるんだけど、この作品は戦争の影も余すことなく描き切ってます。
先程挙げたドット絵の動き。この秀逸な動きのまま、攻撃された敵兵は死にます。
ただ倒れるだけではなく、四肢欠損したり爆発四散したりとゴア表現丸出しで。
この破壊表現は爽快感と紐づいてるのは否定できません。
ガンシューティングの名作、「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッドシリーズ」で、
ナンバリングが4になった時に部位破壊が出来なくなりました。
その当時反発が出たのはグロさを求めているのではなく、破壊の爽快感はゲーム性の一部だからです。
だからこそ、敵が大群で出てくる中を破壊しながら進むメタルスラッグのゴア表現は爽快感を出すのに一役買っている。
ただねえ・・・
よく観察すると敵兵は不気味なほどに人間的。
敵兵は思い思いの行動をするんだけど、
・捕虜を火炙りにかけ、囲んでいたぶる
・こっそり戦場から逃げ出そうとする
・主人公に見つかるとめっちゃビビる
とまあどうも人間臭い。
と思えばナイフで特攻してくる敵兵もいて。
主人公に殺意を持ってようが無抵抗だろうが、こちらとしてはとにかく打つしかない。
プレイ中は必至なのでそんなこと考えないんだけど、ふと無抵抗な敵しかいないときに違和感を覚えるようになります。
「なんで俺はこいつらを殺すのだ」
逃げようとする敵の体が千切れ吹き飛びながら、頭にそんな言葉が浮かぶ。
一瞬沸いた疑問はしかし、次に現れる敵が放つ銃弾とともに遥か彼方へ飛んでいく。
しかしその疑問はどこか頭の片隅に焼き付いていて、
更に疑念を煽るのが相手が絶命する瞬間の叫び声。
この断末魔が生々しい。
叫ぶでもなく、ヴァツと呻いて消えていくんです。
この生々しい人間らしさと一瞬で消える死の描写。
爽快感があり不愉快にならないながらも気付かぬうちに心のどっかをえぐられる感覚です。
ただただ楽しいだけでは終わらせない、そんな風に感じたのは俺だけかもしれないけどね。
ちなみに初代が一番ミリタリー色が強いらしいです。
なんでもメタルスラッグ2では異星人が出てくるとか。なんだそりゃ。
ストイックなゲーム性
このゲーム、ムズカシイヨ。
というのももう10回以上エンディングを見てる、つまり通しで全面プレイしてるんですが、
一番少なくてもコンティニュー数が11回。ゲーセンなら1100円も使ってますよ。
ラーメンにフルトッピングして小ライス付けられるよ。死に過ぎだよ。
いやこのゲームね、一発食らったら即死なんですよ。
戦車に乗ったら3発まで耐えられるんだけども。
落ちるアイテムは武器のみ。しかも弾数制限あり。
初期装備はハンドガンで、連射もままなりません。火力が足りない!!
そんでどんだけ使い勝手の良い武器を拾っても、敵の銃撃を交わし損ねたら一発でお陀仏南無阿弥陀仏です。
更に死んだら武器はハンドガンに戻っちゃうんですなあ。辛い。
ロケットランチャー拾った直後にヴァッってなってコントローラー投げそうになったことが何度もありますよ。
今の俺の腕前では死にゲーです。うん。下手なんだ。
攻略動画とか見ないでプレイしてるからかもしれんけどね、避けらんねえよ!!って場面だらけなんですよ。
それをかいくぐりながら破壊の快感を味わって進んでいくのが痺れる。
そしてメタルスラッグに
「乗り込め―^^ わーい^^」
ってなった時の無敵感万能感、壊された時の絶望感と振れ幅がすごい。
メタルスラッグを奪還することがなぜ重要なのか身に沁みます。
あとプレイを重ねるごとに少しずつ死亡回数が減るのはやっぱり楽しいです。
自分の腕が直接反映されるのは、刹那的ゲームプレイ最大の魅力かもしれない。
ノーコンクリア出来たら今度はスコアアタックが待ってるのかな。
そこまでやりこむ前にメタスラ2に手を出したいです。ごめんなさい。時間が足りない。
総評
このゲームが作られたのは1996年、当時俺は2歳です。ばぶちゃんです。
そのころのアーケードは格ゲー主流だったとか。
23年前に、当時の流行に逆らって制作された、執念の集大成ともいえるゲーム。
本文で触れられなかったけど、BGMもSEも見事というしかないです。
そして途中で触れた戦争への価値観の揺さぶり。
これを経験して迎えるエンディングは哀愁たっぷりで不思議な気持ちになります。
PS Storeなら何回コンティニューしてもお金かからないからね、是非クリアして鳥肌立てて欲しいと思います。